山形県庄内浜「水産業の課題」と「新商品開発」

山形県漁業協同組合の課題として、沿岸小型船の漁師の高齢化と漁の重労働等により、漁獲量の減少が経年を通し見受けられるようになりました。水産業の停滞する環境で様々な課題を抱えています。

この課題解決策の一つとして、庄内浜で近年低利用、未使用になっている魚類の活用を考え、その一つである「あみえび(こあみ)」に着目しました。

あみえび(こあみ)は資源としても豊富で、安定して入手できる海産資源。
あみえび(こあみ)漁は、漁期が漁の薄くなる2月頃からの数か月であり海面に集まることから比較的高齢者でも漁が可能で収入に結び付けることが可能なこと、あみえび(こあみ)漁の取り組みは漁師、漁協の共通の課題解決と漁の活性化が期待できると考えました。

【山形県初の魚醤の商品化】

日本には三大魚醤と言われる秋田県「しょっつる」、香川県「いかなご醤油」、石川県「いしる」があります。庄内浜で獲れる「あみえび(こあみ)」で他県商品に負けない「海老風味がある四大目」の魚醤の商品化に取り組みました。魚醤は出汁醤油としての用途があり鍋料理に最適ですが、漬物やサラダ、刺身、寿司、西洋料理でもニーズがあります。

山形県庄内食の親善大使であるアル・ケッチァーノ奥田シェフが魚醤を探していたことで商品開発に協力をいただくこととなりました。

【アル・ケッチャーノ奥田シェフと「あみえび醤油(こあみ醤油)」料理を楽しむ会の開催】
~「あみえび醤油」商品開発とブランド化農商工連携事業認定記念~

庄内浜の「こあみ」を活用した旨味(うまみ)調味料・魚醤「あみえび醤油」の商品化に際し、経済産業省のすすめる「農商工等連携認定事業」に、山形県漁業協同組合、アル・ケッチァーノ奥田シェフに連携参加いただいて申請し、7月8日に認定を受けることができました。

ご支援いただいた皆様をお招きして認定のご報告と、アル・ケッチァーノ奥田シェフが腕振るう「あみえび醤油」料理を楽しむ会を開催いたしました。

2.遊佐産「鮭」の加工食品開発と販路開拓・ブランド化事業

 

遊佐産 「鮭」(シロサケ)ブランド化

山形県遊佐で生まれた「鮭」。
課題は「安定した漁獲量」。

遊佐町の水系に遡上する鮭(シロサケ)と遊佐放流の稚魚が北海道の北海で成長し、オホーツク海で「めじか鮭」として漁獲されています。
しかし、鮭事業は孵化場の老朽化、関係者の高齢化等で衰退を見せ始めています。遊佐産「鮭」の孵化事業を活性化させ、鮭の遡上を向上させるとともに、北海道オホーツク海での「めじか」漁獲量を確保に向けて、鮭加工関連商品開発を行い鮭漁業の活性化に向けた「遊佐ブランド」としての事業化を提案しました。

より価値の高い、加工製品の遊佐産ブランド化。

山形県遊佐町で放流した「鮭」が「めじか」となり高級品として認知されています。紅鮭の加工食品が多く市場で販売されている中にシロサケの加工食品の地位を遊佐産ブランドとして築き、販路を確実にしていきます。

●山形県遊佐産「シロサケ」ブランド化(予定)加工製品
1)シロザケの高級燻製(燻製に用いる遊佐産燻材チップとこだわりの吹浦塩)としての商品
2)産卵直前のいくらを使用したいくら加工商品
3)鮭の白子の燻製と加工品等の開発

山形県食の都庄内公式ホームページ 「鮭」の産地ツアーの様子 
奥田シェフとめじかを食する会が開催されました。

新商品開発でタイアップしている「食の都庄内 食の親善大使」奥田政行シェフ遊佐枡川鮭漁業生産組合尾形組合長とともに企画した「めじかを食する会」が開催されました。

「めじか」は、北海道オホーツク沿岸で獲られる日本一ブランドの「鮭」です。
遊佐町を流れる月光川はその「めじか」の故郷です。
そこで、「めじか」の魅力をご理解いただきたく、「めじかを食する会」を企画しました。

3.遊佐産「岩牡蠣」安全・安心ブランド化岩牡蠣殺菌商品の開発

産学連携で遊佐産岩牡蠣のブランド化

庄内の海で獲れる「岩牡蠣」は、夏の味覚。

山形県遊佐地区の鳥海山のミネラル豊富な伏流水とそこに育つプランクトンを食べて成長した「天然岩牡蠣」は特に珍重されています。 毎年6月から産卵期を迎える8月のお盆頃まで格別の美味しさで観光客などに注目されており、岩牡蠣は貴重な地域海産資源です。

山形県吹浦港は岩牡蠣の産地。
岩牡蠣漁が解禁になる6月かお盆頃まで平均200㎏/日の水揚げがあります。他県産地では「殺菌装置」の導入が進みつつあり、遊佐地区に於いても殺菌ができる施設の導入が喫緊の課題となっています。


地元技術を活用した「産学連携」での取り組み。

弊社では、以前より「マイクロナノバブルの実験・研究」をすすめてきた鶴岡工業高等専門学校と連携し、殺菌安心・安全岩牡蠣の商品化として「生食用岩牡蠣」を殻つきのまま殺菌し「清浄殺菌岩牡蠣」として市場に供給する遊佐産岩牡蠣のブランド化を図る新商品開発に取り組んでいます。